ベビーパウダーの発がん性問題

2018年、米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が販売するベビーパウダーの原料となるタルク(滑石)が、卵巣がんの原因になったとし損害賠償を求める裁判が起こされ、2020年、J&Jに対し、賠償金の支払いを命じる判決が下されました。

実は、これまで何度か同じような裁判がありましたが、J&Jが裁判で負けたことはありません。つまり、タルクと卵巣がんの因果関係は科学的に証明されていないからだと思われます。

タルク(滑石)とは

タルク(滑石)とは天然の鉱物なのですが、粉状したものはベビーパウダーだけでなく、ファンデーションや制汗剤などに使われています。ただ、動物実験においては、その毒性(肺に腫瘍をつくる原因となる可能性)が指摘されています。

1982年アメリカの研究において、パウダーの愛用者は卵巣がんになるリスクが2倍~3倍あると発表もされているのです。

 

また、タルクには、あの悪名高いアスベストが混入されている可能性も指摘されています。タルクを採掘する過程でアスベストが混入するのです。

アスベストは発がん性物質として知られる物質で、屋根や壁などの建材として利用されてきたのですが、粒子が細かく、肺などのに取り込まれて身体に悪影響を及ぼすことで知られるようになりました。

実際、1987年、日本でもアスベストが混入したベビーパウダーが回収されています。2008年には、韓国にて、中国産のパウダーからアスベストが検出され大きな社会問題にもなっています。

(※尚、現在の日本では、アスベストの混入は0.1%未満と規定されており、アスベスト混入のリスクは低いと思われます。)

まとめ

今回の判決でタルクの危険性が解明されたわけではありません。J&Jのベビーパウダーが卵巣がんの原因とは言えないのです。それを科学的に解明することは不可能でしょう。

複雑化した現代社会において即効性のない物質を長期的に使用し続けた際の悪影響を解明することは出来ません。身の回りに溢れる有毒物質が複合的に作用した結果という見方が強く原因を特定することは出来ないのです。

今回の判決は、その有毒性の可能性を事前に提示していなかったことに起因しているだけです。

ここで言えることは、ベビーパウダーがなくても特に困らないということ。疑わしいモノを使用してまでのメリットはないように思います。

肺に吸入され悪影響を及ぼす可能性を考えれば、特に乳幼児への使用は避けるべきだと思います。